タイにおける護身・厄除けの聖典とも称される「クラバン（不死の護符）」において、特別な位置を占める御神体のナムオイの元祖にあたる逸品です。 本品は、ナムオイの始祖とされる高僧であるルアンポーニアム師（1831–1910）を奉じる、スパンブリー県のノイ寺院より、正式に拝借した貴重な御守りです。 ナムオイとは、直訳すれば「丸いサトウキビ」。 これは、仏陀が円形に描かれた姿が、サトウキビの断面を想起させることに由来しています。 中でも、ナムオイの最古の発祥寺院とされるノイ寺院が発行した御守りは、タイ国内外で極めて高い評価を受け、現在では希少価値の高い高額取引品としても知られております。 ナムオイは、 厄除け・福徳招来・徳の涵養・事の円滑化 といった御利益がある、タイ土着の神聖なる原初的護符で、 災厄を退け、徳を高め、物事を円滑に進める原種の護符。御守り両面には「十の仏陀」が刻まれ、各仏陀には十の高貴な徳目が込められています。 この「十威信十得の仏陀」は、仏教における法輪の象徴と重なり、持つ者を成功と繁栄へと導くと伝えられています。 その十の美徳は、自らを犠牲にして他者に喜びをもたらす、忍耐強く善行を積み重ねる、清らかな心で過ちを避ける、多くの人々から学び、智慧を深める、物事を継続して取り組む力を持つ、謙虚にして正しき行いを守る、思いやりと慈しみの心を持つ、真理を見抜く力を持つ、日々の祈りを絶やさない、常に平静を保ち、心を澄ませるなど。 ルアンポーニアム師はナムオイの創始者、 ナムオイという護符を世に広め、その霊験と共に伝説と化した高僧こそが、今回の御主題者。 幼少より寺院に親しみ、クメール文字およびパーリ語を修得され後に「ソムデット仏」を創出したルアンポートー師（1788–1872）にも師事。 そこでは、独自の瞑想法・呪文・霊的な術法を会得し、唯一無二の魔除け「ナムオイ」の創作に至りますが、製作過程は神聖にして極めて複雑。特に、当時材料を安定化・凝固させる秘術は、師の特別な呪文なくして成し得ぬものとされ、聖米などこれらを7日間混合し、天日干しに。その後、硫黄を加えた金属塊を石臼で延ばし、再び7日間焼成し、最終段階として祈祷と奉献儀式を経たものこそが、「真のナムオイ」です。 縁ある方に、この由緒と加護が届きますようお祈り申し上げます。 プラクルアン タイ